礼先生の おすすめ美食同源
いよいよ春がやってきました。 木々もたくさんの新芽をつけ、秋冬の間に溜めこんだエネルギーを外へ向けて発散させ、その枝を高く伸ばしていこうと温かい日差しを今か今かと待っているような気がします。 万物が生き生きと活動を始めるこの時期、人の体も自然界のリズムに合わせて常に影響を受けます。 春の季節に最もいたわるべき臓器は「肝」。 「肝」は解毒作用など様々な働きを司る場所ですが、ストレスによってその働きが弱まり異常をきたすという性質を持っています。人がストレスを感じると途端に気や血の流れがストップし「肝」の経絡が流れている側頭部、目、のど、胸や脇、生殖器など、その経絡上に様々なトラブルとなって現れます。頭がのぼせる、目が赤く充血する、身体の両脇(サイド)が痛む、生理前の下腹痛などの他、すぐイライラしたかと思えば逆に不安や憂鬱な気分になったりと、情緒不安定になりやすいのもこの季節、肝がストレスを受けたことによって出る特有の症状です。 春の養生のポイントは「肝機能を補うもの」「目をいたわるもの」「血を増やして血行促進するもの」「解毒するもの」「精神安定作用のあるもの」を意識して食べること。春らしい明るい色の春向け食材を使った一品で、この時期ストレスから身体を守ってあげましょう!
にんじんのポタージュ ユリ根添え 可愛い色したほんのりやさしい味。ユリ根の精神安定作用で肝のイライラを緩和して にんじんのβカロチンが粘膜を保護し、血をきれいにして目とお肌を守ります。
<作り方> 1、鍋にバターを溶かし、細かく切ったにんじんと玉ねぎ、ユリ根を軽く炒め小麦粉を加える。弱火でさらに炒め、かぶるぐらいの水で柔らかくなるまで中火で煮る。ミキサーにかける。 2、鍋に戻して牛乳でのばし、固形スープと塩コショウで味を調える。 3、器によそってユリ根を飾る。
菜の花入り あさりのトマトスパゲティ 肝臓の解毒効果を高め肝機能を向上させるあさりは、血液粘度を下げて血をサラサラにします。鉄分も豊富で、息切れ、めまい、立ちくらみなどの貧血改善に役立つ食材。トマトも増血作用がある上、リコピンの抗酸化作用で細胞を若々しく保ちます。トマトソースは昆布だしと合わせることによりうまみ成分のグルタミン酸が際立ち酸味が和らぐのでおススメ。菜の花の苦みは解毒と精神安定作用があります。 菊花茶 中国では花茶として飲まれている菊花。 漢方では、肝がイライラすることによる様々なトラブルを改善するお薬として使われています。高血圧のふらつきや更年期障害の不定愁訴で顔がのぼせる、目が赤いなどの症状の他、風邪の初期の発熱、頭痛、のどが痛むなどの症状によく効きます。
<作り方> 1、あさりは砂出しし、両手でこすり合わせるようにしてぬめりを落とすように洗う。 2、菜の花は茹でて根元を切り、2センチ長さに切って水気をしっかり絞る。 3、鍋にオリーブオイルとにんにくみじん切りを入れ弱火にかける。香りが出たらあさり、 トマト角切り、トマト水煮缶を加える。ここで強めの中火にする。 4、蓋をして蒸らしながら鍋をゆすり、あさりの口が開いたら調味料で味を整える。 菜の花を加えさっと煮る。 5、アルデンテの固さに茹でたスパゲティをソースで和える。
<作り方> カップに菊花を入れ、熱湯を注いで蓋をする。 2分ほど待てば出来あがり。そのままでは飲みにくい場合はハチミツを加えてもOK。