口腔(口の中)は体の1部です。つまり、体が健康でないと、 口腔も健康にはなりません。また、心と体もつながっています。体が悪ければ心に悪影響をおよぼしますし、心が悪ければ体にも影響します。 健康でない、というのは”○○病”という診断名のつく、はっきりとした病気の状態だけではなく、例えば、生活が不規則で疲労やストレスが続いている、 またはそんな疲労のせいか、眠れない、体が重だるい、にきびができる、頭痛やめまいがする等々の不快症状となって表れるものを含みます。

このとき口腔内にも、口の中が乾燥する、夜中に歯ぎしりやくいしばりをしている、口内炎がよくできる、あごが痛い、舌がひりひりする、 味が感じにくい、口臭がするなどの症状が表れます。

このような状態を”未病”といい、未病の状態が続くと高血圧や糖尿病、 歯周病といった病気へ以降していきます。このような生活習慣によって弱くなってしまった部分や、元々体質の弱い部分を補い、 改善していくことで体の巡りを正常化し、健康へと導いていくーーこれが漢方治療です。

漢方治療は”証”に合わせた処方を用います。
”証”とは
  1:その人のもともとの体質
  2:症状の出ている今の状況
  3:季節
を考慮し、決定していきます。 治療が進み、症状や体質が改善していけば、”証”も変わっていきますので、 きめ細やかな診断に基づき、処方も調整していきます。

漢方治療に用いる漢方薬は、植物を中心に、動物・鉱物など天然のものから作られた生薬を組み合わせることで、” 生薬同士のハーモニー効果”が得られ、薬効効果を発揮する医薬品です。処方に用いられる生薬は、安全な品質管理に基づき生産されており、 安心して服用していただけます。

また、漢方薬の形状は、散財や丸財など様々ですが、当院では薬効効果がもっとも期待できると考え、 煎じ薬を処方しています。

漢方治療とは漢方薬を服用するだけではありません。自分の体と向き合い、体が教えてくれるサインに耳を傾け、 自分の体をいたわってあげること、これが”養生”になります。体の不調、心の不調に耳を傾け、生活の不摂生をなくしていくことで、自然治癒力も高まります。